アリスインプロジェクト『チェンジングホテル TOKYO』公演記者発表会レポート




12月13日(水)から、新宿村LIVEにて、アリスインプロジェクトの舞台『チェンジングホテル TOKYO』の上演が始まった。初日、本公演を前に、公開ゲネプロが行われた。

『チェンジングホテル TOKYO』は、アリスインプロジェクトの2017年12月公演として上演が決定したもの。2016年6月に名古屋で公演し、大好評を博した『チェンジングホテル』。名古屋から劇団を招致し演出はそのままに新キャストで上演。 とあるホテルのエレベター内でやくざの一味と女子高生の一団が入れ替わってしまうという抱腹絶倒のドタバタストーリー。大好評だった名古屋バージョンを逆輸入した形となっている。

出演は、元SKE48の今出舞と山田恵里加、元AKB48の小原春香、元SIRゆうの、男装タレントとして個性的な活動を続ける山本太陽、名古屋をベースに活動するOS☆Uから荒木美穂、元サンミニの南彩夏、元バクステ外神田一丁目の三井春菜、そして、ゲストとして仮面ライダーGIRLSの黒田絢子など今回も女性キャストオンリーの総勢29名となっている。

主演・藤崎 恵利役の今出舞 

主演の今出舞は、昨年の名古屋公演では、日替わりゲストのオーナー役だったが、今回は主演の気の弱いドジっ子、藤崎 恵利を演じる。ゲネプロ終了後の記者会見では、「久しぶりの制服姿はどうですか?」という質問もあったが、実に可愛らしい女子高校生を演じていた。しかし、それも新庄アキラとの入れ替わりまでの話。今度はスジの通った男らしい姿を見せた。
 
入れ替わりストーリー故、「実質一人二役」を演じることになるのだが、今出は正反対とも言える二つのキャラクターを見事に演じ分けていた。ダンス部の「ドジでノロマなうさぎ」からヤクザ者への変貌が実に自然で、器用さが垣間見えた。これからご覧になる方に迷惑をかけるので詳細は省くが、入れ替わった相手と2人で話すシーンが特に印象深かった。

今出は2018年2月に新宿ALTA THEATERで上演される舞台『サトラレ~西山幸夫の場合~』への出演も決まっている。この作品もまた主演となるそうだ。

新庄 アキラ 役の小原春香(特別出演)。

小原春香は、新庄アキラという若いヤクザを演じる。今出舞と対になる役どころ。小原にとっては、生まれて初めての男役であり、しかもボスの能代岬に心酔する「若い衆」という設定。これにはAKB48時代からのファンにとって驚きではないだろうか。とは言うものの、入れ替わり後のシーンは、気弱な女の子全開なので、ご安心を。
 
小原は、12月3日に音楽劇『チンチン電車と女学生』への出演を終えたばかり。本作の稽古には途中から合流した形となったが、スタートの遅れを感じさせなかった。
  
また、2018年1月17日から六行会ホールで上演される舞台『レンタヒーロー』にも出演する。12月8日に芸能界デビュー10周年を迎えたばかりの小原。途切れることなく舞台に立ち続ける彼女の今後にも期待したい。

能代 岬役 山田恵里伽

山田恵里伽は、能代組の組長 能代岬を演じる。すでに自身のTwitterやInstagramで衣装を公開しているので、ご覧になった方も多いかと思うが、長身でスラッと長い脚のイケメン組長姿が美しい。山田は、2016年6月に上演された『チェンジングホテル NAGOYA』では、白沢結月 役を演じていた。その役柄の違いを愉しむのも良い。また、入れ替わり後の山田の豹変ぶりが見事で、相手となるダンス部部長・板柳里香役のゆうのは、「普段、舞台でカッコイイ姿を見せる山田を壊してみたかった」と話していた。ゆうのと山田は、一緒に食事をする際、「テンションが高い2人の里香」同士で会話をするなど、稽古場以外でも役作りに余念がなかったそうだ。そんなレアな山田の姿を見る機会もそうそう無さそうなので、ファンの方は是非この機会に目に焼き付けておいてもらいたい。

山田は、クリスマスイブに名古屋・伏見ジャミンにて、同じSKE48出身の原 望奈美や竹内 舞らと共に 「DERAGAYA! XmasイブSpecial企画~彼女と誕生日&クリパやってるなう。に使っていいよ。~」というイベントに参加する。既にファンの方も、また舞台を観てファンになった方も参加してみてはいかがだろう。ちなみに、今月26日は山田自身の誕生日でもあるので、少し早目だが22歳のバースデーのお祝いに駆けつけてみてはいかがだろう。

ホテルの支配人・川部 稔洋 役の荒木美穂

川部 稔洋 役の荒木美穂は、今年6月に上演された舞台『真説・まなつの銀河に雪のふるほし NAGOYA』での好演も記憶に新しい。今回の役柄は、舞台となるホテルの雇われ支配人。『チェンジングホテル NAGOYA』でも演じた役なので、ご覧になった方は、どんな変化があるかに注目。
脚本の麻草氏がTwitterにアップしたラフ画に「川部 稔洋は胃が痛い」と添え書きされていたが、作品を観るとその意味が良く分かる。

荒木は名古屋を拠点とするアイドルグループ「OS☆U」のメンバーとしても活躍中。舞台直前の週末には稽古場のある東京から一旦名古屋に戻り、すぐまた東京へとんぼ返りという忙しさだが、妥協することなく、きっちりと演じていた。冒頭からインパクトのあるしゃべり方と動きが目を引いた。劇中、ホテルやそのオーナーに対する想いを語るシーンも、また見どころだと思う。

南彩夏の演じる大滝 誠司 は、能代組の若頭という役柄。「カタギに手をだすんじゃねえよ!」のキメ台詞がカッコイイ。

南は、10日の稽古に時間を間違えて来てしまい、稽古場が開いていないので仕方なく一人ランチをしたそう。この舞台にかける気持ちが先走ってしまったということなのだろうか。ちなみに稽古は、毎日最初に劇中のダンスを全部通すところから始めていたそう。グループ時代からダンスを得意とする彼女の踊る姿を見ることが出来るのは、ファンとして嬉しいことではないだろうか。また、自身のTwitterで「私自身、今後また舞台やるとか決めていない」と語っていたので、迷っている方は、この機会に観ておいた方が良さそうだ。

横堀 真由美 役の黒田絢子(ゲスト出演)

ゲスト出演の黒田絢子は、ホテル満開園のオーナー、横堀真由美を演じる。脚本の麻草氏曰く「太陽を引き連れて現れたかのようなその存在感は、観るもの全てを真っ暗な劇場から、炎天下の砂浜に引きずり出す!」という役柄。実際、登場シーンになると、彼女が「全部持って行く」感が強い。例えがオカシイかも知れないが、アニメ「ルパン三世」にバカンス中の峰不二子が登場する感覚に近かった。それは黒田自身の持つ色気からくるのか、役そのものの華やかさからくるのか分からないが、劇場の気温を上げる存在だった。黒田本人も「こんなに自由にのびのび 楽しくやれる役は 今まで初めて当たったかも」というコメントを残していた。

ちなみに、黒田は仮面ライダーGIRLSのメンバーとしても活躍中。年明け1月24日に発売する、仮面ライダービルド主題歌CDにカップリング曲として収録される『proud of you』のレコーディングを、先日終えたばかり。演技だけでなく、歌についても今後の展開が期待される。

白沢結月(しらさわ ゆうげつ)役の山本太陽

もう一人、気になったのが、白沢結月役の山本太陽。登場シーンから少しキザな感じのする殺し屋。男装タレントとしても活躍する山本らしく、全てが様になっていた。今回、キャストが男性を演じるにあたって、稽古中、男らしい所作とはどんなものかを教えていたそうだ。記者会見の時に、その一例として男女の座り方の違いを見せてくれたが、男性記者である我々もなるほどと思うものだった。そして今回は敵組織のヒットマンとして、恐ろしい存在でありながら、どこか憎めない一面も見せる絶妙な芝居だった。自身のブログにも「任侠映画が好き」、「男女逆転ものが大好き」と書かれていたが、名古屋で上演されてからずっと本作に出演するのを待ち望んでいたようだ。また、役者としてステージに戻って来てくれたことを嬉しく思うファンも多いのではないだろうか。

映画『君の名は。』や、ドラマ『ぼくは真理のなか』など、入れ替わりを題材にした作品が話題を呼んでいる中、本作品はコミカルで観ている者を飽きさせないものとなっている。一度に大勢のキャラクターが入れ替わるという、ひとつ間違えば観る者を混乱させる構成だが、入れ替える相手の特徴を捉えることに成功していて、誰が誰のカウンターパートなのかがすんなりと分かる。これは出演者の巧さでもあり、演出の成果でもあると思う。また、入れ替わりの無い役柄も含めて、エッジの効いた人物が登場し、物語をキュッと締めていたように思う。

また、劇中にはキャストの歌唱・ダンスシーンもあり、華やかな音楽劇としても楽しめる構成となっている。今回は特別にカーテンコール時に客席からの撮影もできるという試みも(携帯・スマートフォンのみ。千秋楽を除く)。師走の慌ただしさに笑顔を忘れているかも、と感じているそこのあなた、アリスインプロジェクトらしい青春SF群像劇を観て、乾いた心に潤いを与えてみてはいかがだろう。上演は12月17日(日)まで、新宿村LIVEにて。

(取材・文 矢口 明)

出演者集合写真(シングルキャスト+桜組)

シングルキャスト。左から、酢谷有紀子、西田薫子、黒田絢子、南彩夏、新木美優、ゆうの、今出舞、小原春香、
山田恵里伽、荒木美穂、三井春菜、山本太陽、入江怜

ダブルキャスト桜組。左から、森山小百合、小日向亜美、沓澤万莉、葉月小陽、宮瀬麻耶、菅野真衣、折原つかさ

■アリスインプロジェクト2017年12月公演「チェンジングホテル TOKYO」

【日程】
2017年12月13日(水)~ 12月17日(日)全8公演

13日(水) 19:00(桜)
14日(木) 19:00(藤)
15日(金) 14:00(桜)・19:00(藤)
16日(土) 13:00(藤)・18:00(桜)
17日(日) 12:00(桜)・17:00(藤)

※ロビー開場・物販開始は60分前。客席開場は30分前
※桜組・藤組の一部ダブルキャスト

【劇場】
新宿村ライブ(225席)
東京都新宿区北新宿2-1-2 新宿村CENTRAL B2

【キャスト】

シングルキャスト
今出舞
小原春香
山田恵里伽
ゆうの
山本太陽
荒木美穂
南彩夏
三井春菜
新木美優
一ノ瀬彩
黒田絢子

桜組
折原つかさ
酢谷有紀子
菅野真衣
宮瀬麻耶
葉月小陽
沓澤万莉
小日向亜美
倉口桃
森山小百合

藤組
佐藤琴乃
入江怜
池田理沙
河合真衣
蒔音りりか
着崎花梨
加藤亜実
西田薫子
速水うた

【チケット】
S席7000円・ A席5000円(税込︓全席指定)
Confetti(カンフェティ) ・ Corich(こりっち)にて好評発売中

【公式サイト】 
http://aliceintheater.info/ ※最新情報、随時更新中

【ものがたり】
大切な大会を明日に控えた、女子高ダンス部と……
大きな組との交渉に向かう、新興のギャング団……
つぶれかけのホテルで、二組は出会い…… 入れ替わってしまった!

気弱なダンス部補欠、藤崎恵利と、まったく正反対の性格なチンピラ、アキラは、それぞれの葛藤を胸に、ぶつかり合う。

「明後⽇の⼤会までに、ダンスをおぼえてください!」
「だったら、明⽇の取引までに、男らしく振舞えるようになってもらおうか!?

⼤切なもののために戦う男と⼥たち、果たして⼥神はどちらに、いや、彼らに微笑むのか?

「このホテルは、絶対になくしちゃいけないんだ!」

歌とダンスでお送りする、笑いと感動の「ハイテンション☆⼊れ替わりコメディー」

【スタッフ】
演出:宮⾕達也(演劇組織KIMYO)
原作:朝倉薫 脚本:⿇草郁
舞台監督:澤井克幸(obbligato LLC)/演出助手・振付・小道具:藤原孝喜(演劇組織KIMYO)
美術:岡田保(かすがい創造庫/演劇組織KIMYO)/音響プラン: 椎名KANS(Garage Inc.)/音響オペ : 角岡栞(喜劇のヒロイン)
照明:瀧泉千尋(Rose et Noir)/音楽:エスパー渡辺(演劇組織KIMYO)
ヘアメイク:青山亜耶/衣装:演劇組織KIMYO/衣装サポート:まめこ/森本 楽
制作:酒井菜月(ことのはbox)/票券:島崎翼/デザイン : 益子晃/スチール:かしわだにたかし/HP:小和田明
制作協力:平松隆之(劇団うりんこ)/アンデム/藤岡真由美/オフィスAdaD/MAGMA/STUDIO K’z
企画:鈴木正博/プロデューサー:美濃部慶/制作統括:青柳一夫(MAGMA)
制作:アリスインプロジェクト/製作:アリスイン株式会社
協力(50音順):
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