2017年9月21日から24日まで開催された「東京ゲームショウ 2017」。大作ゲームの新作発表など大手ブースが賑わう中、インディーゲームコーナーも盛況となった。
スタジオ、個人などさまざまな環境で制作された作品。必ずしも新作とは言えないがDIY精神に溢れたゲームたちが並ぶ。国籍もさまざまでヨーロッパ、アメリカ、アジアなどそれぞれの国の特色も色鮮やかだ。
オーストリアのインディーデベロッパーBroken Rulesが出展する『Old Man’s Journey』。
同作品は9月22日に行われた「Sense of Wonder Night 2017」にてBest Art Awardを受賞し、その美しいグラフィックやストーリーなどが評価された。
物語は一通の手紙から始まり、それを受け取った大きくヒゲを蓄えた老人が旅へと向かう。
プレイヤーは画面の様子をうかがいながら老人の行く先をクリックして導くが、進めない場所などはドラッグ&ドロップで地面の高さや角度を調整する。
印象的なのは老人ゆえに次のエリアへ進むごとに少し休まなければならない演出。
そこで老人は立ち会う光景に過去を回想し、その思い出が美しいビジュアルとしてインサートされる。
会場に訪れていたBroken Rulesのアートワーク担当のClemens Scottに話をうかがうと、スタッフ5人のメンバーに8人の子供が生まれたことで、人生について想う、こういったイメージの作品が出来上がったと話す。ゲーム中の回想のエピソードはチームのリアルな体験も反映されているようだ。
ゲームの雰囲気についてはフランス的な風景を意識しているとのこと。その情景が「癒される」ようにも受け取れると伝えると、オーストリアにはそういった感覚は無いが「休日」のように楽しんで欲しいと言う。
プレイ環境はApp Store、Google Play、Steamなど。まさに休日や休憩時間、心を落ち着かせたい時に触れてみるのもいいだろう。
■WEB SITE:http://www.oldmansjourney.com/
続いてはスペインからUndercodersによる『Conga Master』。こちらも「Sense of Wonder Night 2017」にてBest Game Design Awardを受賞している。
内容はコンガラインやダンスという、その場のノリで列がどんどん伸びていく遊びのようなダンスで、プレイヤーキャラがフロアを盛り上げるといったもの。他キャラクターを巻き込むためにはその周辺を回り、ゲージをフルにする必要がある。ドット絵のキャラがズラズラと並ぶ姿は非常に楽しく、操作もシンプルで思わず手が伸びる。
こちらも会場にいた開発スタッフのMiguel Murat氏にお話をうかがうと、そもそもの制作のきっかけはゲームジャム(※ゲームクリエイターが集まり短時間でゲームを制作するイベント)「Ludum Dare」への参加からとのこと。
ゲームジャムではお題も出されるがこの時のお題は「2ボタン」「成長」の二つということで、『Conga Master』ももちろんLRの2ボタンのみの操作である。成長はラインの増殖で表現。
関連するエピソードについてうかがうと、とある町のバーでコンガラインを作ったことなど照れくさそうに話してくれた。ちなみに一番は決められないが好きなゲームは「大魔界村」で当然2周目もクリア済みとのことだ。
■WEB SITE:http://www.congamaster.com/
その他には、『Dead Cells』、『Nine Parchments』、『2064: Read Only Memories』などといった作品。また、DELL・Alienwareブースにて出展されていた『Cuphead』、PLAYISMブースでの『VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)』も注目のタイトルだ。
■WEB SITE:
■WEB SITE:http://www.nineparchments.com/
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今回の「東京ゲームショウ 2017」ではVR、eスポーツに加え、インディーゲームシーンもまた、大きく飛躍しているジャンルであるということも強く感じられるイベントとなった。